高校生が目指すべき大学および学部とは?

 高校3年生にとって進学する大学および学部の選定基準は、①自分が好きなこと、②なりたい職業、③習得したい専門性、④自分の強みを活かすことの合計4点です。これらは高校1年生時の文理選択の指標と同じですが、その優先順位が少し異なります。

 具体的に言えば、将来の職業をある程度は意識する必要があるということなのですが、そのための専門的技能習得の具体的な学習プロセスを明確化することが受験大学および学部の選択なのです。もちろん、この時点で職業人としての将来ビジョンができていればベターですが、なかなかイメージできない学生も多いことと思います。

 一方、将来に就きたい職業に関係なく、純粋に特定分野の勉強をしたいという動機だけでで進学することもOKです。とりあえず、大学に入って興味がある学問を学びながら将来像をじっくり考えるというスタイルもいいでしょう。海外では、どちらかというとこのパターンの学生の方が多いかもしれません。

 ただし、将来にいかなる職業に就くとしても「10年後のDX社会で生き残れるキャリアの構築には数学(論理的思考)は必須」という現実があります。やがて、私たちの生活のいたるところにデジタル機器やデジタルサービスが普及する時代がやってきます。
そして、何よりも重要なことは「労働市場(例:ジョブ型雇用、能力評価など)や働き方のスタイル(例:テレワーク、週休3日制など)」が大きく変化するということです。これは、台頭するAIにより、必要とされる職種のニーズへの影響も大きいでしょう。特に、女性にとっては「働き方のスタイルの変化」は仕事選択のうえで、非常に需要な要件になるでしょう。
 それらに適応しなければならない企業の社員にとっては、当然のことながらデジタルリテラシーの習得が不可欠であることを意味するのですが、そのためには微分積分・行列・統計など数学の理解が基礎となるからです。 

 そこで、「高校3年生にとってどのような考え方で受験大学および学部を選定するべきか」について、受験科目、大学の教育カリキュアラム、企業の新卒採用評価基準の観点から次のような区分でそれぞれ提案します。

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 なお、数学が苦手な学生または文系を選択した学生でも、大学生や社会人になってからの勉強や思考トレーニングによってDX社会に適応できるキャリアを培うことが可能です。
 その道筋については、トップページのピックアップ記事の「文系大学生の技術系企業への就活」および「文系社会人の理系シフト」をクリックしてご参照ください。



理系文系それぞれの高校3年生の大学・学部選択のコツとは?

●選定基準となる指標
・自分が好きなこと(興味があること)
・習得したい専門性(具体的研究分野または憧れの教授)
・なりたい職業
・自分の強み
数学の成績
語学の成績(国語&英語)

文系の高校3年生の受験学部の選び方
・文系学部の大学受験を希望する学生
・文理融合学部の大学受験を希望する学生

理系高校3年生の受験学部の選び方
理系学部 の大学受験を希望する学生
文系学部の大学受験を希望する学生
文理融合学部の大学受験を希望する学生

【大学受験の条件とは?】
・国公立 or 私立のどちらがよいか?
・総合大学 or 単科大学のどちらがよいか
・キャンバスの立地(場所)は?
・受験の難易度は?
・受験科目(数学必須の有無)は?
・どんな受験勉強法がよいか?
・受験に関係なく勉強すべき科目とは?

《脚注》
理系学部の事例: 工学部(経営工学を含む)、理学部、農学部、薬学部、医学部など
文系学部の事例: 経済、商学、経営学、法学、教育学部、文学部・芸術学部・体育学部など
文理融合学部の事例: 京大、九州大、名古屋大、滋賀大、横浜国大など

以上