高校1年生の文理選択の大前提として、①自分が好きなこと、②勉強したいという欲求があること、③なりたい職業、④自分の強みを活かすことの合計4点を評価指標にしながら総合的に自己分析して文理選択することが必要です。
ただし、将来にいかなる職業に就くとしても、「10年後のDX(デジタルトランスフォーメーション)社会で生き残れるキャリアの構築には数学(論理的思考)は必須」という現実があります。
DX社会では、AI、5G、IOT、ブロックチェーン、仮想通貨、AR・VR、ウェッブサービス、量子コンピューター、データサイエンス、3Dプリント、ロボット工学、自動運転、SDGs、代替エネルギー、遺伝子診断・治療、食品トレーサビリティ、デジタルヘルスケアなどの革新的な科学技術を駆使した商品やサービスが私たちの生活の中にどんどん普及しています。
ちょっと厳しい言い方になりますが、数学思考が訓練されていないDX情報弱者は、一般消費者としても多種多様なデジタル革新技術サービスの恩恵を受けることさえ難しくなるのです。
実際、早稲田大学の政治経済学部はDX社会に通用する人材育成を目的として、2021年より数学を必須受験科目に指定しました。また、高校でも総合理数コースなどが設置された事例(例:兵庫県立川西緑台高校)もあります。
ちなみに、脳科学者の茂木健一郎さんは音声配信サービスVoicyの中で、数学が必須受験科目になった早稲田大学・政経学部への志願者数が5分の3に減少したというニュースを受けて「文系に数学がいるのは当然でしょう!早稲田の決断は正しい。」とコメントされています。
茂木健一郎さんのVoicy「もぎけんの脳ラジオ」の2021年4月18日配信
そこで、「高校1年生にとってどのような考え方で文理選択するべきか」について、数学の習得レベルによる区分(クリックでリンク先に遷移)で複数の文理選択パターンを提案します。
興味のある項目はリンク(青字でアンダーライン)をクリックしてください。
なお、数学が苦手な学生または文系を選択した学生でも、大学生や社会人になってからの勉強や思考トレーニングによってDX社会に適応できるキャリアを培うことが可能です。
その道筋については、トップページのピックアップ記事の「文系大学生の技術系企業への就活」および「文系社会人の理系シフト」をクリックしてご参照ください。
「どうしても数学が苦手で、好きになれない」という方には、数理思考があまり求められないキャリア(例:人間同士の心の触れ合いや感情を癒すサービスや技術)の構築法を別途提案します。ただし、このような職種でもデジタルデバイスを操作できるレベルのリテラシーは必要です。
【DX社会で生き残れるための文理選択の基準とは?】
●文理選択の参考指標とは?
・自分が好きなこと(興味がある分野)
・習得したい専門性(実務または学問として習得したい分野)
・なりたい職業(将来の自分の職業人生)
・自分の強み(最小の努力で事を成し遂げる力)
・数学のレベル(論理的思考)
・語学のレベル(傾聴力&読解力&表現力)
●文理選択にはどんな事例があるの?
●自己の強みと弱みを分析するには?
【大学進学希望者の学部別の文理選択基準とは?】
●理系学部 (医学部、工学部、理学部、農学部、薬学部)を希望する学生
・数学が得意または非常に得意な場合
・数学が平均レベルの場合
・数学が苦手な場合
●文系学部 (経済、商学、経営学、法学)を希望する学生
・数学が非常に得意な場合
・数学が得意または平均の場合
・数学が苦手な場合
●文系学部 (教育学部)を希望する学生
・数学が非常に得意な場合
・数学が得意または平均または苦手な場合
●文系学部 (文学部・芸術学部・体育学部)を希望する学生
・数学が非常に得意な場合
・数学が得意または平均または苦手な場合
●文理融合学部 (京大、九州大、名古屋大、滋賀大、横浜国大など)を希望する学生
・数学が得意な場合
・数学が平均レベルまたは苦手な場合
【就職を希望する学生の文理選択基準とは?】
・数学が得意な場合(高専、工業高校、商業高校を含む)
・数学が苦手な場合(商業高校を含む)
《脚注》
・「非常に得意」の定義:全国模試の偏差値65以上
・「得意」の定義:全国模試で偏差値55〜65
・「平均」の定義:全国模試で偏差値45〜55
・「苦手」の定義:全国模試で偏差値45未満
【将来の文理融合キャリアを見据えた勉強法とは?】
・受験に関係なく勉強すべき科目とは?
・スポーツ・芸術・ボランティアのすすめ
・新聞と小説などの読書(速読or精読)のすすめ
以上