本章の「理系社会人」とは、製造業などの技術職(研究開発、製造、品質管理、IT設計開発、建築土木など)として働く理系出身(大学理系学部、普通科高校の理系、高専・工業高校を含む)の会社員(いわゆるサラリーマン)を想定しています。
彼らは大学時代に培った理系の専門性を活かして、企業内で「ものづくりの実務」に携わっていますが、技術進歩のスピードは著しく早いのが現状です。
さらに、これからDX時代に突入する中で、AI、5G、IOT、ブロックチェーン、ウェッブサービス、量子コンピューター、データサイエンス、ロボット工学、自動運転などの革新的デジタル技術の到来によって、多くの従来型技術やアナログ的製造体制は淘汰されてしまうでしょう。
よって、当然のことながら、社会人の技術者も働きつつ自己啓発やOJT(On the Job Training)で現行技術の深掘りや異分野の技術を習得して技術者としての深みと幅を拡張していく必要があるのです。
ところが、技術職の社会人においては大学・大学院および社会人経験の中で習得した技術専門性だけでビジネスマンとして定年まで成功できるとは限らないのです(ほぼ不可能です)。その理由は、次のとおりです。
① 習得した技術がどんどん新しい技術に代替されること
② 労働市場のニーズの年齢制限(例:技術職から同類職への転職は30歳代後半が限界)
③ 会社組織内での昇進ルール(例:ラボマネージャーへの昇格は10人に一人)
④ 働き方のスタイルの変化(例:ジョブ型雇用の導入、テレワーク、社内管理システムのDX化)
そこで、本ブログでは、“理系から文系への融合シフトとは単純な職種変更ではありません。本章では、さらに実際に役立つ文理融合キャリア構築法” の具体的手順を次のとおり提案します。
【理系から文系へのシフトの事例】
●技術職におすすめの文系転職(社内異動を含む)とは?:
・技術職 → 技術営業(特注製造受託およびソリューション事業)
・技術職 → 法務(特許管理および契約法務)
・技術職 → 人事(技術職の労務管理)
・技術職 → 会計(技術資産の価値評価と資本政策)
・技術職 → ジャーナリスト(科学コミュニケーションと企業倫理)
●技術職が文系シフト可能な異業界:
・製造 → 製造、IT、通販、広告
・IT → IT、製造、通販、ヘルスケア、広告、マスコミ、金融
・バイオ(医薬・医療サービス) →バイオ(医薬・医療サービス) 、食品、ヘルスケア、通販
・建築土木 → 不動産
●技術職におすすめの文系転職職業界とは?
・製造
・IT
・通販
・商社
・コンサルティングファーム
・マスコミ
・金融
●技術職が社内昇進したとき:
・技術職プレイヤー → 技術系マネジャー
・技術系マネージャー → 経営者(CTO、CAO、 CEO)
●技術職が起業したとき:
・フリーランスの場合
・会社経営者の場合
【理系から文系へのシフトの質的変化とは?】
・仕事の対象: 物 → 人
・心のエネルギーの向き: 内向 → 外向
・動機: 思考(論理的)→ 感情(非論理的)
・表現法: 数値(定量的)→ 言語(定性的)
【理系社会人の文系転職への適性とは?】
・自己分析とは?
・他人評価分析とは?
・どんなキャリア専門家から支援を受けるとよいか?
以上